青城SS | ナノ
「及川って明日、部活休みなんだっけ?」
「そうだよ」
「なら今から私の家寄ってく?」
「家って……、え? ナマエの家?」
「他にどの家があるの?」
「いや、だってナマエの家って両親が海外転勤してて今、日本にいないって言ってなかった?」
「うん。親は海外でお仕事しています」
「え、え? じゃあ、え?」
「めっちゃ動揺してんじゃん」
「そりゃ! そりゃね!? 動揺くらいするって! だいたい家来るかなんて初めて言われたしね!?」
「兄がいるからさー。なんか誘いにくいよねぇ」
「あ、お兄さん……。そっか、うん。だよね。高校生の女の子一人で暮らすなんて、親御さん許さないよね」
「ん? そーなのかな? 私親じゃないからしらんけど。まあ、今日兄は彼女のとこにお泊まりだから、来ればって聞いたわけ」
「お兄さんいないの? は? 待って、それって、は?」
「及川さ、情緒平気? 面白いことになってるよ?」
「誰のせいだと思ってるわけ!?」
「え? 人のせいにするー? ひどいわぁ。そんな彼氏お母さんに紹介できないわぁ」
「お母さん?」
「ん? お母さん。お母さん先週から日本に帰ってきててね」
「あぁ。お母さんが今家にいるわけね」
「今日朝の便で帰りました」
「それお母さんいないじゃん! 本当になんなのお前!?」
「はい。問題です」
「問題って……」
「今、ミョウジ家には何人の人がいるでしょうか」
「……ゼロ」
「ブッブー。不正解」
「……え?」
「及川って私の話、ぜーんぜん聞いてないのね」
「は?」
「金曜日はいっつもおばあちゃんが来てくれるって言ってるじゃん。今日は何曜日ですか」
「……金曜日」
「そう。Fridayです」
「はあー」
「なにー? ため息なんてついちゃって」
「なんか凄い疲れた」
「あら。じゃあ帰る? おばあちゃん19時には家に帰るんだけど、及川は及川家にもう帰る?」
「……お前さぁ、わざと? それわざとやってんだろ」
「んー? だったら問題でも?」
「問題でも!? はあー!?」
「わー、うるさ。うるさくてびっくりー」
「お前ねぇ!!」
「で、どうすんの? 来るの? 来ないの?」

行くけどさ!

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